Q-37.発電機の容量はパワートロンを使用すると小さくなりますか?

A-37.ソフト始動で負荷を始動する時、電源が発電機の場合発電機の容量は最も小さくなります。
下記の表は社団法人日本内燃力発電設備協会の自家発電設備の出力算出ソフトウェアで試算した比較表です。

上記のソフトウェアは消防関係のみ適応されるもので、一般的には下記の発電機の容量を算出する式を用います。

  1. PG1:定常運転に必要とする発電機の容量
    PG1=PL/(η x PFL) x γ
    PL:設備負荷の合計
    η:負荷の総合効率
    PFL:負荷の総合力率
    γ:負荷率

  2. PG2:許容電圧降下から必要とする発電機の容量
    PG2=Pm x βx αx xd’x (1-ΔV)/ΔV
    MG2=PG2 x PFs x 1.36/ε/ηG
    Pm:負荷の中で始動kVAが最も大きい電動機出力
    β:電動機の1kW 当りの始動kVA
    α:始動係数
    xd’:発電機の過渡リアクタンス
    ΔV:電圧降下率
    PFs:始動力率
    ε:エンジンの投入容量
    ηG:エンジンの効率

  3. PG3:最大容量の電動機を最終に始動するために必要とする発電機に容量
    PG3=KW’/(cosA x ηb) + (√3 x VG x Is)/(KG x 1000)
    MG3=(KW’/ηb + Pm )x 1.36/(δ x ηG)
    KW’:ベースロード
    cosA:ベースロード力率
    ηb:ベースロード効率
    VG:始動時電圧
    Is:電動機の始動電流
    KG:発電機過負荷電流耐量
    δ:エンジン過負荷耐量
    Ηg:発電機過負荷効率

以上に計算式であり、この値に影響する諸元値は“β”と“α”の値です。
“β”は電動機の特性で決まり、電動機の直入の時の始動電流でり、”α”は始動器の
始動係数であり、各始動器によって違います。
例を示すと下記の通りです。

  1. ソフト始動(パワートロン)α=0
    これは電動機始動on瞬時の入力電圧の高さを示すもので、パワートロンの場合on時は常に0Vです。
  2. スターデルタ α=0.67
  3. コンペン(65%)タップ α=0.42

αの値で影響を受けるのは PG2のみであり、パワートロンの場合、他の始動方式と比べて
最も小さな値となります。
この様にパワートロンを使用すれば発電機の容量を最も小さく出来ます。

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